クアラルンプール国際空港へ離着陸する際、眼下に広がるヤシの木がマレーシアの代表的な農産業であるアブラヤシ農園(プランテーション)です。
70年ほど前までマレーシアを代表する産業のひとつであったゴム産業は、1955年に世界銀行から天然ゴムへの依存を減らすように提言を受けたこと、そしてゴム農園の経営に比べて生産性、収益性が高いという利点も後押しし、1960年以降急速にパーム油(熱帯雨林にあるアブラヤシから採れる植物油脂)産業へ切り替えが進められるようになりました。今ではマレーシアはインドネシアに次いで世界2位の生産国であり、またパーム油は世界で生産される植物油脂のトップでもあります。
食料品(ポテトチップスや即席麺など)や化粧品、衣料品、洗剤など多くの商品に幅広く利用されている「パーム油」の日本の消費量は世界19位(2016年度)となり、私たちの生活にも大きくかかわっているといえます。しかし生産国の現場では、世界的に需要があるパーム油のためのアブラヤシ農園(プランテーション)開発の影響で