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【ジョホールバル】なぜヤギなのか?HACCP認証を取得したマレーシアのハラル牧場│SDGs


世界における畜産の動きを見てみると、2018年1月、ベルリン農業大臣会合において、共同宣言「コミュニケ2018『畜産の未来形成‐持続可能性、責任、効率』」においてSDGsについてふれ、2018年10月には、当時国連食糧農業機関(FAO)のジョゼ・グラチアノ・ダ・シルバFAO事務局長が

国連食糧農業機関(FAO)「世界の畜産:持続可能な開発目標を通した家畜部門の転換」より抜粋

For decades, the livestock debate has focused on how to produce more from less to feed 9.8 billion people by 2050. However, the United Nations 2030 Agenda for Sustainable Development has now added a new and broader dimension to the discussion, it has shifted the focus from fostering sustainable livestock production per se, to enhancing the sector’s contribution to the achievement of the SDGs.

(日本語訳:これまで家畜の議論は、2050年に世界人口が98億人となった際のどのようにしてその人口を養うための生産ができるかということに何十年も焦点を当ててきました。しかし、持続可能な開発のための国連2030アジェンダはにより、焦点は持続可能な畜産の推進から、どのようにしてSDGsの達成へのセクターの貢献に移りました。)

とレポートの中で述べたことにより「食料」という観点に加えて、畜産への意識が変わり始めます。

日本では、畜産経営に伴って発生する環境問題(畜産環境問題)が表面化し、畜産経営に起因する苦情の発生件数が近年ほぼ横ばい傾向で推移し大きな問題となっています。また世界的に見ても、農家当たりの飼養規模の拡大や地域における混住化の進行、環境問題への関心の高まりなどを背景とし、家畜排せつ物による悪臭や水質汚染といった環境問題の発生がみられるようになっています。

マレーシアの畜産

マレーシアが定めている国教は「イスラム教」となり、マレーシア国民の約6割が豚肉を食することができないイスラム教徒です。

イスラム教徒が口にすることができる食肉は、鶏肉、牛肉、羊肉といったものですが、マレーシア国内で鶏肉意外の自給率は高くなく、マレーシア政府の統計では2000~2003年にかけて年間平均約4万頭のヤギが家畜として輸入されています。

なぜ、食肉ではなく家畜としての輸入が多いのか? それはイスラムの教えで「許されている」(合法なもの)という意味の「ハラル」の観点から、加工や調理、輸送、保管に関して一定の作法が遵守されていなければならないことが理由のひとつでもあります。

そしてヤギは、妊娠期間が約150日(牛は約280日)と短く多産でもあること、また、鶏肉や牛肉と比較してヤギ肉は比較的高値で取引されるため「食料の安定供給確保」に加え「収入と雇用の増大」にもつながりやすいということがあります。

敷地内に様々な品種の6,000頭弱のヤギが飼育されているマレーシア最大規模のヤギ牧場であるUKファームは「ハラル」であることはもちろん、環境面でも様々な取り組みが行われています。

名前、または内容 UK FARM(UKファーム)
中心地からの移動時間 クアラルンプール市内から車で約3時間
シンガポール市内から車で約2時間
営業時間 10:00~17:00
見学時間(目安) 約6時間
催行人数 20名以上
料金 有料(お問い合わせください)
その他

視察内容

UKファームでは、ヤギを中心として七面鳥などの家畜が、環境面に配慮した畜産業や食品加工業が行われており、飼料工場やヤギの搾乳・乳工場施設などを訪れられることはもちろん、技術面や環境面での取り組みを知ることができます。

まず技術面では、ヤギ乳処理の安全管理が完備された国際認可のHACCP(危害分析重要管理点)認証を取得済しているハラル牧場でもあります。

また環境面では、園内にあるパッションフルーツ農園で取れて食品加工された後のパッションフルーツの皮がヤギ乳の品質向上のために効果的な飼料材料となります。そしてそれを食べたヤギの糞尿は飼料作物の栽培肥料となり、それに伴う害虫対策としてツバメの養殖をするなど、無駄のない農牧場運営を実践してます。

そしてUKファームは、農業(アグリ)と旅行(ツーリズム)を組み合わせた言葉であるアグリツーリズムを提供する新しい形の農場でもあり、くだもの狩り・ジュース作り体験、農耕飼料の準備体験と山羊の世話と触れ合い体験なども行っています。

HACCP(危害分析重要管理点)認証とは?

HACCPとは、Hazard Analysis Critical Control Point(危害要因分析重要管理点)の頭文字からとった「食品の安全性を確保するための衛生管理手法のこと」で、1960年代に米国で宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の衛生管理の方式です。

2020年6月から日本でもHACCPの義務化が開始され、2021年の6月までには食品関連事業者はHACCP導入が必須となりました。

UKファーム外観
UK Farm Webサイトより

ヤギ乳の搾乳
UK Farm Webサイトより

皮が飼料になるパッションフルーツ農園
UK Farm Webサイトより

HACCP認証がつなぐ3つのゴール

HACCPはフードチェーン全体で食品の安全を確保する仕組みで、貧困につながる目標1、健康的な生活を確保する目標3、そして目標12のつくる責任、つかう責任にも関わってきます、

My アクションプラン(一例)

Step 1:インプット│現状を知り、課題を発見する

「HACCP」で
Hazard –危害-,Analysis –分析-  = 有機物質、異物、微生物や細菌など

Critical –重要-.Control –管理-,Point –点- =加熱、冷却、包装など
このように各工程でのリスク管理を行う方法を現しています

Step 2: プロセス│自分の身の回りに置き換えて考える

わたし、わたし達が出来るHCCP活動は何があるだろう?

Step 3: アウトプット│自分に何が出来るだろう(My アクションプラン)

HACCP認証ラベルのついた商品に変えていく
●保存や調理器具、キッチンやお手洗いなども清潔に保ち、食中毒への予防を行う

3つのステップで、あなたができる「My アクションプラン」を下記のフォームへ入力してアウトプットしてみましょう。

お送りいただいた内容に関しては、弊社サイトにて公開させていただくことがありますので、あらかじめご了承ください。

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