マレーシアは1970年代以降目覚ましい経済成長をとげ、今なお各地で都市化が進んでいます。そして人口増加を続けるマレーシアは、日々排出されるごみ処理は行政の喫緊の課題となっていますが、ごみに対する国民の関心は低く「ごみの分別」という習慣はまだまだ根付いていないのが現状です。それを裏付けるかのように「ごみの分別をしましょう」「ごみはごみ箱へ」といったコマーシャルが流れています。
また、街中に設置されたリサイクル品回収ボックスも利用頻度は低く、リサイクルできる紙やペットボトルなどは業者に売れるため、リサイクルボックスに入れずに業者に売り少額でも収入を得る方を選択している人が多いようです。
行政側も組織的な構造が遅れており、1980年代前半に住宅・地方自治省(Ministry of housing and local Government)内にごみ管理を担当する部署が設立されましたが、その規模と機能は限定的なままとなっていました。
しかし、2005年6月に廃棄物管理に関する国家戦略計画(National Strategic Plan for Waste Management)が政府に承認され、都市ごみ管理の改善に向けた取り組みが後押しされることになりました。